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「負動産の所有」が与える心理的ストレス

心が休まらない「負動産の保有」

相続した土地に使い道がなく、売却もできず、ただ放置している状態が続くと、
所有者には金銭的負担以上に深刻な心理的ストレスが蓄積していきます。

実際、相談を受けていると、次のように語る方が少なくありません。

「固定資産税などの現金負担より、精神的な負担のほうがずっと重い」

負動産が心理的ストレスを生む理由は、次のとおりです。

(1)「毎年逃げられない義務がある」というプレッシャー

土地を放置していても、固定資産税などの納税通知書は毎年必ず届きます。
税額の多寡に関係なく、この通知書が届くたびに、所有者は

「この土地から逃れられない」

という感覚を強く持つことになります。これが長期的な心理的圧迫につながります。

(2)「何かトラブルが起きているのでは?」という不安(常時監視の負担)

相続した土地が遠方にある場合、ほとんどの所有者は日常的に見に行くことはありません。
そのため、次のような心配が常につきまといます。

・「雑草が生い茂っていないか」
・「不法投棄されていないか」
・「近隣住民から役所へ苦情が入っていないか」
・「害獣の巣になっていないか」

これらは確認のしようがないため、
「知らないうちに何か起きているのでは」という継続的な不安を生みます。

(3)行政から「突然手紙が届く」かもしれない不安

自治体は、
管理不全土地に対して「指導・助言・勧告・改善命令」などの書面通知を送付します。

内容が軽微であっても、役所からの封書は多くの人にとって心理的負担となります。

「ついに行政から指導が来たのでは…」

と不安を抱えながら郵便物を開封する行為自体が、ストレスの原因になります。

(4)終わらない問題として「将来への不安」が積み重なる

負動産を所有しているだけで、将来に向けた漠然とした不安が増幅します。
たとえば50代で相続した場合でも、10年後には60代、20年後には70代になります。
年齢を重ねるにつれ、

・草刈りが体力的に難しくなる
・車の運転が不安になる
・現地確認の負担が大きくなる

といった理由で、管理能力が自然に低下し、将来不安はさらに強まります。

相続土地国庫帰属制度は「負動産」と完全に縁を切れる

相続土地国庫帰属制度が注目されている最大の理由は、所有者が負動産と完全に縁を切り、
心理的ストレスから解放されることにあります。

この制度は簡単に利用できるものではなく、手続きにも費用にも一定のハードルがあります。
それでも多くの人が利用を検討するのは、次のような強い想いからです。

・「自分が抱えている負担を子どもに背負わせたくない」
・「この問題は自分の代で終わらせたい」

負動産の心理的ストレスは、見過ごせないほど大きな問題であり、
それを断ち切るための手段として、この制度は大きな意義を持っています。

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