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「電柱の支線が存在する土地」の整理手法

望まず相続した雑木林は、所有しているだけで「負の財産」

中部地方に位置する、とある雑木林。所有者は約10年前に親から相続しましたが、遠方に住んでいるため利用する予定はありませんでした。この雑木林は、所有者が望んで相続したものではなく、兄弟姉妹間の遺産分割の際に、所有者自身が「末っ子だから」という理由で、兄や姉らから押し付けられた土地です。これは、所有しているだけで負の財産となる、いわゆる「負動産」の取得経緯でよくある話といえます。

所有者は、定期的な除草作業や現地確認が「経済的・精神的」に負担になりつつも、所有を続けてきました。しかしある日、子どもから「こんな土地は残さないで」といわれたことで、手放すことを決心します。

所有地は約110坪、現況は里山の林、地目は山林で南側は田舎道に接しています。地型は旗竿地で、東西の隣地はそれぞれ地目が雑種地です。隣地上には小屋や建物が建っていました。

費用がかかる国庫帰属を目指す前に、まず所有者は、地元の不動産会社に売却を依頼しましたが、買い手は現れず、何の引き合いもありません。

また、隣地所有者へ無償譲渡を試みようと、隣地所有者の登記情報を調べてみましたが、全員が県外居住者で取得原因も相続でした。現地の放置状況から、隣地所有者にしても、とても望んで土地を取得したとは考えられず、無償譲渡も難しいと判断したのです。

そこで、「相手の存在を前提とせず、要件さえ満たせば国が引き取ってくれる」という建て付けの相続土地国庫帰属制度を利用して、国への帰属を目指すことになりました。

申請を阻む「電柱支線」の問題

所有地が面する南側道路上には電柱があり、その電柱の支線が所有地内に設置されています。
国庫帰属申請をするうえでの懸念点は、
所有地内に支線が設置されているにもかかわらず、その支線の土地使用料が電力会社から支払われていないことでした。

土地使用料が支払われていないケースでよくある例としては、電力会社側の何らかの手違いで、別の土地所有者に土地使用料を支払っていることがあります。軽微なミスであり、
山林なので土地使用料も低額ではありますが、
この状態で国庫帰属申請をすると、
不法に(土地使用料の支払いがないのに)第三者の権利(支線)が申請地内に存在する」
として、不承認要件に該当する可能性があります。

このようなケースで不承認を回避するには、
「支線の状況と土地使用料に関する書類の内容を一致させてから承認申請をする
必要があります。

そのため、所有者(申請者)と電力会社との間で土地使用に関する書類を新たに取り交わし、
土地使用料の支払先を所有者に変更する必要があるのです。
これによって、支線設置の不法性はなくなり、その地位を土地所有者から国に問題なく継承できることになります。

道路上の電柱を安定させるために私有地内に電柱の支線を設置することは、市街地でもよく見られます。現地確認の際は、境界線と照らし合わせて、注意深く確認することが肝要です。

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