運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

受付時間
定休日
9:00~19:00
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・定休日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・定休日連絡先(090-5063-8136)
     ✉アドレス info@realestate-lawoffice.jp

お気軽にお問合せ・ご相談ください

050-6875-7980

不動産親族間売買の実務⑧公正証書の作成

「長期の支払い」を担保する最強の安全装置

親族間売買の中でも、特に割賦(分割)払いを採用するケースでは、支払いが長期にわたるという特性上、買主が途中で支払い不能に陥るリスクを常に抱えることになります。

売主としては、たとえ親族間の取引であっても、売買代金の大部分をまだ受領していない
段階で所有権を移転してしまうことに、不安を感じるのは当然のことです。

このような不安を解消し、
長期の支払いを確実に担保するための最も強力な手段が「公正証書」の作成です。

公正証書は、公証役場において公証人が作成する公文書であり、一般の私文書である契約書とは異なり、高い証明力と強制力を持ちます。

割賦契約の実務では、
手付金や内金の支払い時に所有権を移転するケースが多く見られますが、その反面、売主は残額の支払いを確実に担保できる仕組みを構築しておかなければなりません。

公正証書はまさに、その担保として機能する最強の安全装置なのです。

「強制執行認諾文言付き」公正証書を作成する

公正証書にする最大のメリットは、裁判なしで差し押さえができる「執行力」があることです。

特に効果が大きいのが「強制執行認諾文言付き公正証書」です。

これは、買主が割賦金の支払いを滞納した場合、売主が裁判を起こさずとも、直ちに強制執行に移行できる効力を持ちます。

通常の債権回収では、「①訴訟 → ②判決 → ③強制執行」という時間とコストを要するプロセスが必要になります。

しかし、強制執行認諾文言付き公正証書があれば、公証役場で「執行文」の付与を受けるだけで、即座に差押えの手続きに進むことができます。

さらに、公正証書は「税務上も強力な証拠資料」となります。

親族間売買は、税務上のチェックが入りやすい分野であるため、

・実際に分割払いが存在すること
・支払計画が明確であること
・履行状況が客観的に確認できること

といった要素を公的な文書として残しておくことは、税務リスクを軽減するうえでも有効です。

所有権移転時に「抵当権設定登記」を行う

割賦払いを確実に担保するためには、「強制執行認諾文言付き公正証書」の作成に加え、
抵当権設定登記を行うことで、割賦金の回収はより強固になります。

強制執行認諾文言付き公正証書があれば、割賦金の支払いが滞った際に金銭の強制執行は可能です。
しかし、執行できる対象は、法律上
一定の額の金銭の支払を目的とする請求権(金銭債権)に限定されています(民事執行法第22条)。

つまり、債務者の給与や銀行預金、売掛金などの金銭債権は差し押さえができますが、抵当権を設定していない限り、その公正証書だけで直ちに土地や建物を競売にかけることはできません

公正証書は「金銭を払え」という証明にはなりますが、「その不動産を競売にかけて売却しろ」という直接の命令書にはならないためです。

親族間売買の割賦払いで、万が一の際に不動産を競売にかけて回収したいのであれば、
公正証書を作るだけでなく、同時に不動産登記簿に「抵当権」の設定登記をしておく必要があります。

なお、買主の割賦金不払いの際、売主が競売による不動産売却ではなく「返還」を希望する場合は、
公正証書に「無催告解除条項」と「登記復帰条項」を明記するとともに、抵当権設定登記ではなく、「代物弁済予約による所有権移転の仮登記」をする必要があります。

どちらを選択するかは、売主が希望する回収方法によって異なり、
ここは実務上の重要な分岐点となります。

「債権の相続」と「遺言」との関係

割賦金の支払い期間が長期に及ぶ場合、売主が完済を受ける前に死亡する可能性も、現実的に
存在します。
その場合、未回収の割賦金は「債権」として、他の財産と同様に相続の対象となります。
たとえば、
・売主:親
・買主:子(複数相続人のうちの1人)
という構図で親族間売買が行われていた場合、売主が亡くなると、残額の割賦金債権は相続人全員の
共有となります。

そして、買主が相続人の一人である場合、他の相続人から「割賦金の残額を請求される」という事態が発生しかねません。そのため、売買契約の前段階で、他の相続人から親族間売買への理解を得ておくことは非常に重要です。

また、生前の対策として、他の相続人に遺留分に配慮しつつ、
残りの割賦金債権は買主である子に相続させる」とする遺言書を作成し、
実質的には債務免除と同じ効果を持たせることも、争いを防ぐうえで有効です。

遺言書がなければ、遺産分割協議の中で割賦金の扱いが争点となりやすく、親族間売買が「争族」の
火種になるリスクも否定できません。

割賦払いを選択する場合には、売買契約と同時に、相続面のリスク対策もセットで考えておく必要があります。

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
050-6875-7980
受付時間
9:00~19:00
定休日
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ対応可。
受付時間外・日曜日連絡先:090-5063-8136

最新著書のご案内

相続〝円満・不和〟が分かれる
不動産の“遺し方・手放し方”!

「相続前・後の不動産対策」に焦点を当て、終活として不動産所有者が備えるべき4つの視点から解説。
特に、負動産を生前処分する方法、そのまま相続になると必ず紛争になる相続不動産の瑕疵対策共有名義不動産の回避・解消法、遺言民事信託の活用など相続に不動産が絡むケースの終活ノウハウが満載です。

『終活を真剣に考える』シリーズ①

“負動産”生前処分するために
“唯一制度化”された出口戦略!

近年、相続の現場で深刻化している“負動産の押し付け合い”による争族の解決策として注目される「相続土地国庫帰属制度」の超実践ガイド
放置すると大変なことになる負動産の生前処分の「最終手段」として、
相続土地国庫帰属制度を利活用するための知識とノウハウを体系的にまとめた「実務に活かせる」必読書。

『終活を真剣に考える』シリーズ②

相続不動産の売却親族間・
個人間売買
よく分かる!

「相続不動産の売却、親族間売買、個人間売買」について、実務の観点から図解・イラストで解説しています。本書を読むことで、不動産取引に付きまとう「5つの不(不安・不満・不便・不都合・不経済)」が
解消します。

法改正対応!最新の改訂版!
不動産実務がみるみる身に付く

出版時点の法改正(民法、消費税法、都市緑地等の一部改正法等)の修正対応と、金利上昇局面を見据え初版に無かった住宅ローン基礎知識を解説追記した最新改定版。身の丈に合った物件価格算出法が好評。

発行部数1万部以上売れた初版
不動産取引“入門書”の決定版!

2015年7月出版の初版。不動産業界初心者向けの入門編。他書籍で誰も書かなかった不動産オークション裏側カラクリ”地主向け”・土地活用営業マンへの対峙法が好評。

必ず繁盛店シリーズの集客編!集客企画に困ったらこの1冊!

累計発行部数:12,000部以上売れた集客ノウハウ大全(共著)。SNS全盛の今でも、何度も使える集客企画ネタ帳の保存版。

「弁護士JPニュース」
弊所代表行政書士:平田の
取材記事が掲載されました。

“普通の家庭”ほど危ない!? 「実家の相続」安易な考えで数百万円損も…「うちは大丈夫」慢心が思わぬ“争いの火種”に
なるワケ

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)
50代から着手しよう!!
「“相続トラブルのタネ・
ワケあり不動産”テキパキ
整理術」連載中!

【第1回】内縁の妻に、親から相続した4,000万円の横浜の自宅を遺したい…「事実婚夫婦」が資産承継する際の重要ポイント

【第2回】同居の長男に自宅を遺したいが、別居の長女と揉めないか不安…希望の相続を実現させる「特定財産承継遺言」の効果と注意点

【第3回】【50代再婚カップルの苦悩】2人で暮らす世田谷の家、後妻の死後〈後妻弟〉へ渡るのを阻止したい…遺言では対処できない〈資産承継の問題〉の解決策

【第4回】馬車馬のように働き人生後半で手にした「夢のマイホーム」に住まう79歳元経営者だが…いま気づいた〈子どもたちの争族リスク〉に顔面蒼白

【第5回】あなたとの不動産の共有がストレスです…姉の申し出に〈土地の持ち分〉を買い取りホクホクの50代男性、積年のマイホーム建築の夢が潰えた「考えれば当然」の事情

【第6回】本当に恐怖です…父から相続した地方の「ワケあり不動産」、やがて起こる〈共有者大増殖〉に、50代男性「いてもたってもいられない」と戦慄

【第7回】こんなお荷物、捨ててしまいたい! 亡き父が残した土地は〈過疎地・共有名義・買い手ナシ〉の三重苦…57歳長男の心の叫び

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-6875-7980

<受付時間>
9:00~19:00
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ  
 対応可。祝日は通常営業。
※受付時間外・日曜日の連絡先
 090-5063-8136

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研

住所

〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

アクセス

神戸新交通ポートアイランド線
  「貿易センター」駅より徒歩   3分
阪神本線「神戸三宮」駅より徒歩   8分
JR神戸線「三ノ宮」駅より徒歩10分
阪急神戸線「神戸三宮」駅・徒歩13分
※周辺にコインパーキング多数あり

受付時間

9:00~19:00
※19時以降は予約の方のみ対応可。

定休日

日曜日
(日曜日以外の祝日は通常営業)
※定休日は予約の方のみ対応可。