運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
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不動産の親族間売買を検討する際、多くの方が
「身内同士の取引なのだから、税金面でもメリットがあるのではないか」
という期待を抱きがちです。
しかし、日本の税制は、親族間という関係性を利用した租税回避に対して非常に厳しい姿勢をとっており、親族間売買では「主要な税制上の特例が、ほぼ全て使えない」という現実があります。
マイホーム(居住用財産)を売却した際には、通常であれば、税負担を大幅に軽減するための強力な
特例が複数用意されています。
しかし、これらは親族など「特別な関係にある者」への譲渡では、いずれも適用されません。
(1)居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除
マイホーム売却で得た利益から最大3,000万円を控除できる極めて強力な制度です。
しかし、売却先が親子・夫婦・生計を一にする親族などの場合、この控除は適用されません。
そのため、たとえ譲渡益が3,000万円以下であっても、親族間売買では利益の全額が課税対象となり、
所得税・住民税が重くのしかかります。
(2)居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合に、譲渡所得税率を低くできる制度ですが、これも親族間売買では適用されません。3,000万円控除と軽減税率の両方が使えないため、売主側の税負担は、第三者に売却した場合よりも著しく重くなります。
(3)特定の居住用財産の買換えの特例
マイホームを買い換える際、売却益に対する課税を将来に繰り延べられる制度です。本来なら仕組みとして、売却した年に払うべき譲渡所得税を、今回買った新しい家を将来売却する時まで保留できます。しかし、親族など「特別な関係者」への譲渡では認められません 。
以上のように、親族間売買では、マイホームに関する主要な減税制度が「完全に閉ざされている」点に注意が必要です。
不動産売却で損失(赤字)が発生した場合にも、通常は「所得税を減らすための有利な特例」が存在します。しかし、親族間売買では、これらもすべて適用除外となります。
(1)マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
買換えの際に赤字が出れば、給与所得などと相殺し、更に翌年以降に繰り越すこともできる制度です。しかし、親族間売買では認められません。
(2)特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(オーバーローン時)
住宅ローン残高が売却価格を上回る「オーバーローン」状態でも、第三者間での売却であれば損益通算が可能です。
しかし、親族間取引では、損失の操作が容易であることから、一律に適用が禁止されています。
これらが使えないため、親族間売買で「赤字になるから税金が返ってくるはず」という考えは成立しません。
近年注目されている「空き家特例」も、親族間売買では適用されません。相続した実家を売却する際に
3,000万円を控除できる強い制度ですが、売却先が親族である場合は完全に対象外です。
そのため、「相続した家を兄弟に売って節税しよう」という発想は成り立ちません。
税制上の不利益は売主側だけでなく、買主側にも及びます。
(1)住宅ローン控除の適用除外
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅取得者の金利負担を軽減する制度ですが、国税庁は
「住宅の取得は、その取得時および取得後も、引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと」を適用要件としています。
つまり、以下のいずれかに該当すると適用されません。
・「親子、夫婦、生計を一にする親族」から購入した場合
・取得後に売主(親族)と同居する場合
・内縁関係など事実上の親族関係
・特別な関係を有する法人からの取得
ただし、「生計を一にしていない親族」からの取得であれば、条件次第で適用される余地があります。この点は誤解されやすいため、慎重に判断する必要があります。
(2)住宅取得等資金の贈与税非課税特例
親や祖父母から家を買うための資金援助を受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になる特例がありますが、これは「配偶者や親族など一定の特別の関係がある人」から物件を取得する場合には適用できません 。たとえば「父の家を買うために、父から資金援助を受ける」という構図は、制度の趣旨に反するため適用されないのです。
親族間売買の税務上の不利益が大きい理由は、国の住宅税制が
「真に居住を目的とする一般市場における取引」を支援するための制度だからです。
親族間での取引は、価格操作や損失の恣意的計上が理論的に可能であり、租税回避の温床となりやすいことから、制度趣旨の観点で厳格に排除されています。
その結果、親族間売買では次のような二重の不利益が生じます。
・売主側の不利益:本来なら非課税だったはずの利益に譲渡所得税がかかる。
・買主側の不利益:毎年の住宅ローン控除という減税機会を失う。
これらを合計すると、親族間売買は第三者への通常売買よりも税務上の負担が非常に大きく、結果として、経済的に極めて非効率な選択となることもあるため、慎重に判断することが不可欠です。
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