運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

受付時間
定休日
9:00~19:00
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・定休日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・定休日連絡先(090-5063-8136)
     ✉アドレス info@realestate-lawoffice.jp

お気軽にお問合せ・ご相談ください

050-6875-7980

不動産親族間売買の実務③価格設定の基本

「みなし贈与」を回避する適正価格の実務知識

「みなし贈与」とは

親族間・個人間売買において、最も重要となる論点の一つが「価格設定」です。市場価格から大きく乖離した価格で売買を行うと、税務上「みなし贈与」と判断され、贈与税が課される可能性があります。

特に、親族間売買は、第三者間の取引と異なり「価格形成の透明性が低い」と見られやすいため、税務上のチェックが厳しくなる傾向があります。

みなし贈与とは、当事者に贈与の意思がなくても、結果として一方が経済的利益を得たと判断された
場合に、その利益を贈与とみなして贈与税を課税する制度です。

通常の贈与は、「贈与します」「受け取ります」という双方の意思表示を伴いますが、みなし贈与は
形式にかかわらず「実質」を重視して判断されます。

そのため、当事者としては通常の売買をしたつもりでも、
気付かないうちに贈与税の課税対象となっていた、というケースが起こり得ます。

みなし贈与が問題となる典型的なケースは、次の二つです。

(1)時価より著しく低い価格で売買した場合(売主→買主への利益移転)

買主が、時価より明らかに低い価格で不動産を購入した場合、
その差額は買主が得た経済的利益とみなされます。

この時価との差額が「贈与」と判断され、買主に贈与税が課税される可能性があります。

(2)時価より著しく高い価格で売買した場合(買主→売主への利益移転)

逆に、買主が、時価より大幅に高い価格で不動産を購入した場合、
売主は「市場価格以上の金銭」を受け取ることになります。
この「時価超過分」は、買主が売主へ無償の経済的利益を与えたと判断され、売主に贈与税が課税される可能性があります。
このケースでは、売主は「時価相当部分の譲渡所得税」に加えて、「時価超過部分の贈与税」まで課される可能性があり、通常の売却よりも税負担が重くなってしまいます。
そのため、親族間売買では「高過ぎる価格」もリスクとなる点に注意が必要です。

適正価格を算出するための3つの指標

みなし贈与を回避するためには、取引価格の設定に「客観性」と「合理性」が不可欠です。
そのため、以下の3つの指標を併用して価格を算出することが最も効果的です。

(1)不動産会社の査定額(複数社からの取得が理想)

不動産会社による査定額は、複数社から取得することが理想です。1社のみの場合は、根拠となる資料が十分に充実している必要があります。複数査定を取るメリットは、

・査定額のばらつきを比較できる
・平均値や中央値から相場の中心値を把握できる
・売買価格の説明根拠として利用できる、などです

査定書には周辺の成約事例や価格算定根拠が記載されており、税務署に対して価格の妥当性を説明する資料としても有効です。

(2)公的指標(公示地価・路線価・固定資産税評価額)

土地には以下の三つの公的評価があります。

・公示地価(基準地価)
・路線価(相続税・贈与税の基準)
・固定資産税評価額

一般的には、市場価格(実勢価格)を100とすると、次のような関係性があります。

・公示地価:市場価格の 90〜100% 程度
・路線価:市場価格の 約80% 程度
・固定資産税評価額:市場価格の 約70% 程度

公示地価は、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の価格を鑑定・公表しており、
全国約2万6千地点の「標準地」を基準にしています。
対象地周辺の標準地がある場合は、その数値を参考にすることで、価格の妥当性を補強することができます。

また、公的評価額から市場価格を逆算する方法も有効です。
・固定資産税評価額 ÷ 0.7 ≒ 市場価格
・路線価 ÷ 0.8 ≒ 市場価格

この逆算式は、一般的に利用される考え方で、価格設定の客観性を裏付ける資料として役立ちます。

(3)近隣の実勢成約事例(最も重視すべき指標)

価格算定で最も重要なのは、広告に掲載されている「売出価格」ではなく、実際に売買が成立した成約価格です。不動産会社は、成約価格のデータベースを保有しているため、査定依頼の際には、次のような資料提供を依頼するとよいでしょう。

・成約価格データの提示
・成約事例の主要項目(所在地・土地面積・建物面積・築年数・成約時期など)
・査定価格算出根拠の説明

以上の3つの指標から総合的に判断することによって、客観性がある説明可能な適正価格を算出することができます。

価格設定の根拠は必ず書面化して保存

「みなし贈与」を避けるために、最も効果的な防衛策は、価格の妥当性を示す資料を必ず残しておくことです。保存すべき資料は、次のとおりです。
・不動産会社の査定書(社印入り)※複数社分が望ましい
・公示地価・路線価・固定資産税評価額の写し
・成約事例の主要データ(コピーが不可の場合は転記でも可)

これらの資料をまとめて保管しておくことで、価格の客観性・合理性が担保され、税務リスクは大幅に軽減されます。なお、個人情報の関係で、成約事例の資料交付が難しい場合は、個人を特定しない主要な数値のみ転記した資料を査定書に差し込んで綴じてもらい、保管しておきましょう。

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
050-6875-7980
受付時間
9:00~19:00
定休日
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ対応可。
受付時間外・日曜日連絡先:090-5063-8136

最新著書のご案内

相続〝円満・不和〟が分かれる
不動産の“遺し方・手放し方”!

「相続前・後の不動産対策」に焦点を当て、終活として不動産所有者が備えるべき4つの視点から解説。
特に、負動産を生前処分する方法、そのまま相続になると必ず紛争になる相続不動産の瑕疵対策共有名義不動産の回避・解消法、遺言民事信託の活用など相続に不動産が絡むケースの終活ノウハウが満載です。

『終活を真剣に考える』シリーズ①

“負動産”生前処分するために
“唯一制度化”された出口戦略!

近年、相続の現場で深刻化している“負動産の押し付け合い”による争族の解決策として注目される「相続土地国庫帰属制度」の超実践ガイド
放置すると大変なことになる負動産の生前処分の「最終手段」として、
相続土地国庫帰属制度を利活用するための知識とノウハウを体系的にまとめた「実務に活かせる」必読書。

『終活を真剣に考える』シリーズ②

相続不動産の売却親族間・
個人間売買
よく分かる!

「相続不動産の売却、親族間売買、個人間売買」について、実務の観点から図解・イラストで解説しています。本書を読むことで、不動産取引に付きまとう「5つの不(不安・不満・不便・不都合・不経済)」が
解消します。

法改正対応!最新の改訂版!
不動産実務がみるみる身に付く

出版時点の法改正(民法、消費税法、都市緑地等の一部改正法等)の修正対応と、金利上昇局面を見据え初版に無かった住宅ローン基礎知識を解説追記した最新改定版。身の丈に合った物件価格算出法が好評。

発行部数1万部以上売れた初版
不動産取引“入門書”の決定版!

2015年7月出版の初版。不動産業界初心者向けの入門編。他書籍で誰も書かなかった不動産オークション裏側カラクリ”地主向け”・土地活用営業マンへの対峙法が好評。

必ず繁盛店シリーズの集客編!集客企画に困ったらこの1冊!

累計発行部数:12,000部以上売れた集客ノウハウ大全(共著)。SNS全盛の今でも、何度も使える集客企画ネタ帳の保存版。

「弁護士JPニュース」
弊所代表行政書士:平田の
取材記事が掲載されました。

“普通の家庭”ほど危ない!? 「実家の相続」安易な考えで数百万円損も…「うちは大丈夫」慢心が思わぬ“争いの火種”に
なるワケ

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)
50代から着手しよう!!
「“相続トラブルのタネ・
ワケあり不動産”テキパキ
整理術」連載中!

【第1回】内縁の妻に、親から相続した4,000万円の横浜の自宅を遺したい…「事実婚夫婦」が資産承継する際の重要ポイント

【第2回】同居の長男に自宅を遺したいが、別居の長女と揉めないか不安…希望の相続を実現させる「特定財産承継遺言」の効果と注意点

【第3回】【50代再婚カップルの苦悩】2人で暮らす世田谷の家、後妻の死後〈後妻弟〉へ渡るのを阻止したい…遺言では対処できない〈資産承継の問題〉の解決策

【第4回】馬車馬のように働き人生後半で手にした「夢のマイホーム」に住まう79歳元経営者だが…いま気づいた〈子どもたちの争族リスク〉に顔面蒼白

【第5回】あなたとの不動産の共有がストレスです…姉の申し出に〈土地の持ち分〉を買い取りホクホクの50代男性、積年のマイホーム建築の夢が潰えた「考えれば当然」の事情

【第6回】本当に恐怖です…父から相続した地方の「ワケあり不動産」、やがて起こる〈共有者大増殖〉に、50代男性「いてもたってもいられない」と戦慄

【第7回】こんなお荷物、捨ててしまいたい! 亡き父が残した土地は〈過疎地・共有名義・買い手ナシ〉の三重苦…57歳長男の心の叫び

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-6875-7980

<受付時間>
9:00~19:00
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ  
 対応可。祝日は通常営業。
※受付時間外・日曜日の連絡先
 090-5063-8136

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研

住所

〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

アクセス

神戸新交通ポートアイランド線
  「貿易センター」駅より徒歩   3分
阪神本線「神戸三宮」駅より徒歩   8分
JR神戸線「三ノ宮」駅より徒歩10分
阪急神戸線「神戸三宮」駅・徒歩13分
※周辺にコインパーキング多数あり

受付時間

9:00~19:00
※19時以降は予約の方のみ対応可。

定休日

日曜日
(日曜日以外の祝日は通常営業)
※定休日は予約の方のみ対応可。