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不動産親族間売買の基礎知識

目 次

1|不動産親族間売買の基本
  1-1|不動産親族間売買とは何か?
  1-2|親族の範囲とは

2|相続不動産売却、親族間・個人間売買に潜む「5つの“不”の正体」
  2-1|不安:「将来起こるかもしれない」トラブルへの漠然とした不安
  2-2|不満:「情報の非対称性、構造的な利益相反行為」へのストレス
  2-3|不便:「複雑な法規制、物理的・心理的制約」による手続き停滞
  2-4|不都合:「共有・境界・法的拘束」がもたらす資産の流動性不全
  2-5|不経済:「維持費の垂れ流し、税制特例の適用除外」が招く損失

3|不動産親族間売買の実務
  3-1|直接取引の光と影:「コスト削減メリット、隠れたリスク」の正体
  3-2|売買全体の流れ:「住宅ローンの利用可否」で進め方は異なる
  3-3|価格設定の基本:「みなし贈与」を回避する適正価格の実務知識
  3-4|売買契約書の作成:身内こそ他人以上に「厳格な書面」を作る
  3-5|税制上の不都合:親族間売買では「税制優遇措置」が使えない
  3-6|住宅ローンの壁:なぜ、親族間売買の「融資審査は厳しい」のか
  3-7|ローン不承認時の対策:「親族間・割賦売買(分割払い)」の活用
  3-8|公正証書の作成:「長期の支払い」を担保する最強の安全装置

不動産親族間売買の基本

不動産親族間売買とは何か

不動産親族間売買とは、親子や兄弟姉妹、祖父母と孫など、
親族同士で土地や建物を「売買契約」によって名義を移すことを指します。

贈与や相続と違い、「売買代金を払う契約」によって所有権を移す点が特徴です。
一般的に対象になるのは次のようなケースです。

・親が住んでいる家を、子どもが代金を払って買い取る
兄弟で共有している土地を、一人が買い取って単独名義にする
相続予定の不動産を生前に売買で整理する

【活用される主な場面】
1.相続、生前対策として
将来相続で揉めそうな不動産を、あらかじめ特定の相続人が購入しておく
現金と不動産のバランスを整え、相続人間の不公平感を減らす
親が住んでいる家を、子が買い取ってローンを組み、親の老後資金にする

2.住まいの引き継ぎ
親の家をそのまま子ども世帯が引き継ぎたいが、他の兄弟への金銭的な配慮も必要なとき
親名義だとローンが組みにくいので、子名義にして建て替えやリフォーム資金を借りたいとき

3.資産整理・負担軽減
固定資産税や維持費の負担が重くなった親が、不動産を子に売って現金化したいとき
空き家や使っていない土地を、他人に売る前に親族で引き取るかどうか決めるとき
 

【メリット】

①家族間の意向を反映しやすい

第三者への売却と比べて、「誰が住み続けるか」「誰が引き継ぐか」を柔軟に決めやすく、家族の事情に合わせた形にしやすいです。

②相続トラブルの予防につながる

売買代金の支払いと評価をきちんと押さえておけば、「あの家は実質タダでもらったのではないか」といった不満を減らせる可能性があります。

③親の老後資金確保に役立つ

子どもがローンを組んで親から家を買い取り、その代金を親の生活費や介護費用などに充てるといった形で、資産を現金化しやすくなります。

④住宅ローンや建て替えがしやすくなる

親の年齢や収入ではローンが難しい場合でも、収入がある子どもが買い取って名義を移せば、
子ども名義で住宅ローンを組める場合もあり、建替えや大規模リフォームが現実的になります。

 

【デメリット・注意点】

1.税務上のリスク

時価よりかなり安い価格で売ると「贈与」とみなされるリスクがあります。対価を払っていても、市場価格との差額部分が贈与として扱われることがあるため、不動産の適正な評価と、売買契約書や金銭のやり取りをきちんと残すことが重要になります。

2.ローン審査が厳しくなる場合

親族間売買は金融機関から「資金需要が本当にあるか」「実質的な贈与ではないか」などと慎重に見られやすく、通常の売買よりローンが通りにくい場合があります。
また、
対応してくれる金融機関が限られることになります。

3.ほかの親族との公平感の問題

ある子どもだけが不動産を買い取る場合、「価格が安すぎる」「他の兄弟はどうするのか」といった感情面のトラブルにつながることがあります。
また、
将来の遺産分割で「そのときの売買をどう評価するか」をめぐり再度揉めるケースもあります。

4.手続きが意外と複雑

・不動産売買契約書の作成
不動産の評価や価格設定
・不動産調査
登記手続き
税金の確認(譲渡所得、贈与、登録免許税、不動産取得税など)

これらを誤ると、
後から税務署の指摘を受けたり、家族間での認識が食い違ったりする恐れがあります。

親族の範囲とは

「親族の範囲」について、民法では、以下のように定めています。

(親族の範囲)

第725条 次に掲げる者は、親族とする。
 一 6親等内の血族
 二 配偶者
 三 3親等内の姻族

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