運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
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「親族間売買・個人間売買」を安全、かつ、確実に進めるためには、取引の全体像を正しく把握し、一般の不動産売買とは異なる特有のポイントを押さえることが不可欠です。
とりわけ、親族間売買では “通常の不動産取引には存在しないリスク” を抱えているため、
事前の理解が成否を大きく左右します。
(1)住宅ローンを「利用するか、しないか」
親族間・個人間売買では、買主の購入資金の調達において、
・住宅ローンを利用する場合
・住宅ローンを利用せずに、現金で購入する場合
のどちらを選択するかによって、必要となる書類と全体の流れが大きく異なります。
特に重要なのは、住宅ローンを利用する場合、
金融機関は審査書類として、宅建業者が作成した「重要事項説明書」の提出を必須とする点です。
しかし、この書類だけを「単発」で作成してくれる不動産会社はほとんどありません。仮に引き受けても、実務的には通常売買と同様の手間と責任が生じるため、
売買価格の約 3%(または値引きしても半額程度=1.5%)の手数料を請求されることが一般的です。
仲介手数料が負担に感じたら、
事務サポート料のみで対応でき、宅建業免許を保有する事務所を探すことになります。
(2)親族間売買では、住宅ローンが利用できる金融機関が「大幅に制限される」
金融機関による住宅ローンの取扱いにおいて、第三者(友人・知人)との個人間売買では一般売買と
同様に扱われる一方、親族間売買は金融機関から「特殊な取引」とみなされます。
そのため、
・そもそも親族間売買のローンに対応していない(門前払い)
・対応していても、金利が高い
・不動産担保ローン扱いになる
・物的担保や保証人の追加が条件になる、といった制約がかかることがあります。
以下では、住宅ローン利用の有無に応じた
「親族間・個人間売買の流れ」を解説します。
(※は住宅ローン利用の場合)
(1)売買価格の調査
最初に必要なのは、売買価格の客観的な調査です。
一括査定サービスを利用して複数社の査定を取得することで、税務署に合理的に説明できる価格設定が可能になります。
親族間売買では、「みなし贈与」対策として特に重要です。
(2)当事者間の売買合意
価格だけでなく、対象不動産の不具合や制約、負担など後々で揉めないために、
不動産の問題点を洗いざらい開示したうえで合意します。これを怠ると、親族間でも契約不適合責任に発展することがあります。
(3)住宅ローン・事前審査(※)
本審査の申し込みをする前に行われる「簡易的な審査」を指します。
申込者の年収、返済負担率(返済比率)、年齢や職業などがチェックされます。
(4)売買契約書、重要事項説明書(※)の作成
不動産売買契約書や重要事項説明書の作成は、宅建業者が介在する場合は作成を依頼し、
住宅ローンを利用しない場合は、売買契約書のみ当事者で作成することになります。
(5)売買契約の締結(手付金の授受)
売買契約書の締結時、買主は売主へ手付金を支払います。実務では 売買代金の5〜10%が一般的です。ここで最重要なのは、手付金の授受は必ず銀行振込にし、通帳記録を残すこと。
親族間売買では、税務署から「実際に金銭が動いているか」「売買として成立しているか」を厳しく
確認されるため「通帳記録」は最強の証拠となります。
(6)住宅ローン本審査(※)
事前審査よりも厳密に、融資の可否や融資条件を最終的に判断するもので、
・申込者の返済能力
・物件の担保価値
・健康状態(団体信用生命保険の加入可否)、などを詳細に調査します。
(7)金銭消費貸借契約(※)
本審査に通過後、融資を受ける金融機関と正式なローン契約を締結します。
(8)担保権等の抹消手続き
対象不動産に抵当権・差押え等が残っている場合、残金決済日に抹消登記を行うための事前準備が
必要です。融資実行日に併せて抹消書類を発行してもらうよう、債権者(銀行等)と調整します。
(9)残金決済・所有権移転登記・引渡し
最終取引日(決済日)は、売買に関する全ての義務が履行される最も重要な日です。
・買主 → 売主へ残代金を銀行振込(※通帳記録必須)
・売主 → 抵当権抹消書類の提出
・司法書士 → 所有権移転登記申請
・鍵の引渡し、設備の確認
がまとめて行われます。注意点として、残金支払いも手付金と同様に、必ず銀行振込で「通帳記録」を残すことです。また、登記手続きには、必ず司法書士に依頼することにします。
登記手続きを本人が申請することも法律上は可能ですが、不動産登記は専門性が高く、万一トラブルが発生して登記ができない場合は、各関係機関に損害が発生することもあり得るため、登記はプロに依頼する方が無難です。
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