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特別受益

特別受益とは

特別受益とは、被相続人から「生前贈与、遺贈、死因贈与」で
受け取った利益のことをさします。

但し、生前贈与は、
全ての生前贈与が特別受益に該当するわけではなく、
「婚姻、養子縁組又は生計の資本のための贈与」が特別受益に該当するとされています。

 

<例>

1.「婚姻、養子縁組のための贈与」

 ・かつて「持参金、結納金、挙式費用」が特別受益に該当しましたが、
  現在これらは特別受益ではなく、扶養義務の履行や社交上の出費との見方が普通となります。

 

2.「生計の資本のための贈与」

 ・生計が別の成人した子供への贈与が扶養義務の範囲を超えて、
  生活の基盤なって活用される財産(生活費、新築費用、開業資金、有価証券、不動産)は、
  生計の資本の贈与と言え、特別受益に該当するとされます。

 ・名目の文言をそのまま解釈せず、生前贈与が「遺産の前渡しと言えるかどうか」が
  判断のポイントとなります。

 ・「遺贈」は、受遺者が相続人であれば、特別受益に該当します。

 ・「死因贈与」は、受贈者が相続人であれば、特別受益に該当します。

※民1044条の贈与は、
全ての無償処分(一般財団法人への財産拠出、信託の設定、無償の債務免除や担保提供)を指します。

 

 

特別受益の持ち戻し

特別受益とは、一部の相続人だけが亡くなった人(被相続人)
から生前贈与や遺贈、死因贈与で受け取った利益のことです。この特別受益は、遺産の前渡し分と評価されます。

特別受益の持ち戻しとは、相続人間の公平のため、特別受益分を遺産に加えて具体的相続分を定めるというものです。

但し、親族に貰った財産が特別受益だとして、
それを返さなければいけないか?というと、
そうではありません。公平な相続のために考慮はしますが、返金するのではないのです。

また、特別受益者の範囲は、相続人に限られます。相続人以外に遺贈や贈与がなされてもそれは相続とは関係ありません。

「特別受益の持戻し」による相続分の計算は、次のような計算式になります。

特別受益を受けていない人の具体的相続分
 →(相続財産+特別受益にあたる贈与額)×法定相続分(又は指定相続分)

●特別受益を受けた人の具体的相続分
 →(相続財産+特別受益にあたる贈与額)×法定相続分(又は指定相続分)−贈与額・遺贈額

 

特別受益には、時効はありませんのでしたが、2023年4月1日施行民法改正により、
特別受益の持ち戻し請求は、相続開始後10年間に限定されることになりました。

つまり、相続開始から10年経過後に行う遺産分割協議では、一定の場合を除いて、特別受益の主張ができなくなりました。10年以上も経過すると、証拠が残るケースも少ないことが指摘されています。

また、「一定の場合」とは、
相続開始の時から10年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき
相続開始の時から10年の期間の満了前6カ月以内の間に、遺産の分割を請求することができない
 やむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から6カ月を経過する前
 に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき

と規定されています。 

特別受益の持ち戻し免除

特別受益の持ち戻し免除とは、
被相続人が特定の相続人に財産を多く分け与えたい場合、
過去の贈与や遺贈を加味せずこれらを除いた遺産だけ
遺産分割の対象にする旨の意思表示が生前又は遺言書にあった場合や、被相続人による持ち戻し免除の意思表示があったと
推定する場合があります。

「特別受益の持ち戻し免除」の意思表示がある場合、
方法としては「遺言書」や「生前贈与契約書」に
明確に明記することが必要です。

例)「これまでに、長女Aにした生前贈与による特別受益の持ち戻しについては、全て免除する」
   との記載があればよいでしょう。

※民法第904条第3項には、被相続人が
「特別受益の持ち戻しを定める規定(民903①②)」と異なった意思を表示したときはその意思に従う、と規定しています。


※持戻し免除の意思表示の方法に、決まった形式はありません。
 但し、裁判で争う場合、証拠が無ければ、持戻し免除が認められることは難しいと思われます。

※「婚姻期間20年以上の夫婦間による居住用土地建物の遺贈や贈与があった場合、
 特別受益の持ち戻し免除の意思表示があったと推定される。(民903④)

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