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自治体が土地所有者に求める「管理義務」の強化

自治体は規制強化に舵を切っている

相続した土地を放置していると、
市町村(自治体)から「指導・勧告・命令」を受けるケースが増えています。

近年、全国の自治体は、管理不全土地や空き地放置に起因する地域トラブルに対応するため、
所有者に最低限の管理義務を課す条例を積極的に制定しています。

これに違反すると、自治体が介入し是正を求める動きが強まっています。

自治体が条例制定と規制強化に踏み切っている背景には、次のような事情があります。

(1)放置土地が「地域の治安・防災に深刻な悪影響」を与えている

相続後に放置された土地は、地域の安全や環境に
次のような問題を引き起こす典型例となっています。

・雑草や笹竹の繁茂
・イノシシ、シカ、クマなどの害獣の発生
・除草不足による火災リスク
・不法投棄による環境汚染
・景観悪化による周辺地価の下落

こうした苦情が近隣住民から自治体へ多数寄せられることで、
自治体としても迅速な対応を迫られる状況になっています。

(2)「管理不全の空き地・空き家」が増え続けている

総務省統計によれば、空き地・空き家は年々増加傾向にあり、
人口減少の影響も相まって、
自治体だけでは管理しきれない状況が生まれています。

そのため自治体は、
・所有者が自ら適切に管理すべき
・自治体が無制限に背負い込むべきではない
という方向へ政策を転換し、管理義務の強化に踏み出しています。

(3)管理不全状態を放置すると「行政の費用負担が肥大化」する

雑草の伐採、ゴミの撤去、害獣対策などへの行政介入は、すべて税金で行われます。
これが繰り返されると自治体財政が圧迫され、地域住民の不公平感も拡大します。

このため、
「所有者自身が管理することが原則」
という考え方が強化され、条例によって責任を明確化する流れが全国的に進んでいます。

所有者不明土地問題への法改正で「放置して逃げる時代」は終わりつつある

相続放置の核心課題は「所有者不明土地」です。かつては自治体も介入が難しい状況でしたが、近年の法改正により、自治体の管理や代執行権限は大きく強化されています。

代表的な法改正は次のとおりです。

・所有者不明土地法(管理代行制度の創設)
・空家等対策特別措置法の強化
・民法改正(共有者の権限緩和・管理決定の円滑化)

これらの法整備により、「相続未登記だから責任を逃れられる」という従来の状況は、
完全に通用しなくなっています。

条例違反時の流れ|指導⇒勧告⇒命令⇒代執行

多くの自治体では、条例に基づき所有者の「最低限の管理義務」を明確に定めています。
この義務に違反した場合、自治体は次の手順で対応します。

①指導(口頭・書面での改善要請)

②勧告(期限付きでの改善を正式要求)

③命令(法的拘束力のある行政命令)

④代執行(自治体が強制的に草刈り・撤去等を実施)

代執行に要した費用は、原則として 全額土地所有者へ請求 されます。

自治体によっては、状況確認のために写真を添付して指導を行い、
改善期限を過ぎると即座に代執行に着手するケースも見られます。

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