運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

受付時間
定休日
9:00~19:00
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・定休日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・定休日連絡先(090-5063-8136)
     ✉アドレス info@realestate-lawoffice.jp

お気軽にお問合せ・ご相談ください

050-6875-7980

遺言執行者の復任権とその責任

復任権とは何か

遺言執行者の「復任権」とは、遺言執行者が自らの責任において、
第三者を復代理人として選任し、
遺言執行に関する事務の全部又は一部を委ねることができる権限をいいます。

復代理人としては、弁護士、司法書士、行政書士等の専門家が選任されることが一般的です。

遺言執行者は、預貯金の解約払戻し、不動産の名義変更、相続財産目録の作成など、
遺言内容を実現するための法的義務を負います。

しかし、これらの事務を必ずしもすべて自ら行う必要はなく、
復任権を行使することによって、専門家の支援を受けながら手続を進めることができます。

遺言執行者に復任権が認められた背景

令和元年(2019年)6月30日以前の旧法では、
遺言執行者は原則として第三者に任務を委ねることができず、「やむを得ない事由」がある場合に限って復任が認められていました(旧民法第1016条第1項本文)。

しかし、実際には遺言執行者として指定される者が必ずしも法律知識を有しているとは限らず、相続人等が指定されることも少なくありません。

また、遺言執行の内容が複雑であったり、法律問題を含んでいたりする場合には、
遺言執行者本人のみで適切に事務を遂行することが困難なケースもありました。

このような事情から、遺言執行者についても法定代理人の場合と同様に、
一定の範囲で第三者への委任を認めるべきであるとの議論が行われました。

その結果、改正民法では、法定代理人に関する民法第105条と同様の考え方を採用し、
遺言執行者に広く復任権を認める制度へと改められました。

旧法(改正前民法)と改正民法における取扱いの違い

令和元年(2019年)7月1日の民法改正により、
遺言執行者の復任制度は大きく変更されました。

(1)復任の要件

①改正前民法の取扱い

改正前民法第1016条第1項では、復任は原則として禁止されていました。
例外として、
・遺言書に復任を許諾する旨の記載がある場合
・病気その他のやむを得ない事由がある場合

に限り、第三者への委任が認められていました。

②改正民法の取扱い

現行民法(改正民法)第1016条第1項では、復任は原則として自由となりました。
そのため、遺言書に復任許諾の記載がなくても、また、やむを得ない事由がなくても、
遺言執行者は自らの判断で復代理人を選任することができます。

もっとも、遺言者が遺言書において明確に復任を禁止している場合には、その意思が優先されるため復任は認められません。

(2)「やむを得ない事由」の役割と責任の違い

改正民法では復任自体は自由となりましたが、「やむを得ない事由」の有無は、
復任後に遺言執行者が負う責任の範囲を決定する重要な基準となっています。

①やむを得ない事由がない場合

遺言執行者が自己の裁量によって復任した場合には、復代理人の行為について自己の責任を
負います。
そのため、復代理人に業務上の過失があった場合には、遺言執行者自身に選任や監督の落ち度がなくても、相続人等に対して責任を負う可能性があります。

②やむを得ない事由がある場合

高齢、病気、遠方居住その他の事情により、遺言執行者本人が事務を行うことが困難な場合には、「やむを得ない事由」がある復任として扱われます。
この場合、遺言執行者が負う責任は、復代理人の選任及び監督に関する責任に限定されます。

したがって、復代理人の選任や監督について相当の注意を尽くしていれば、
復代理人が独自に起こした過失についてまで、責任を負うものではありません。

このように改正民法は、復任の自由度を大きく拡大する一方で、
裁量による復任については重い責任を課す仕組みを採用しています。

新旧法の適用関係(経過措置)

実務上特に重要なのは、復任権について、どちらの法律が適用されるかという点です。

遺言執行者に関する改正事項の多くは「相続開始日」を基準としていますが、
復任権については、例外的に「遺言書の作成日」が基準とされています。

(1)令和元年(2019年)6月30日以前に作成された遺言書

改正前民法第1016条が適用されます。
そのため、
① 遺言書に復任許諾の記載がある場合、 又は
② 遺言執行者にやむを得ない事由がある場合

のいずれかに該当しない限り、原則として復任は認められません。

(2)令和元年(2019年)7月1日以降に作成された遺言書

改正民法第1016条が適用されます。
そのため、遺言書に復任禁止の定めがない限り、遺言執行者は特段の事由がなくても、
自らの責任において自由に復代理人を選任することができます。

なお、このように適用基準が相続開始日ではなく遺言作成日とされているのは、
遺言者が遺言作成当時の法制度を前提として意思表示を行っているためです。

遺言作成時の法的前提に対する遺言者の信頼を保護し、
その意思を不当に害しないよう配慮する観点から、このような経過措置が設けられています。 

※クリックすると画像が拡大されます

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
050-6875-7980
受付時間
9:00~19:00
定休日
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・日曜日連絡先:090-5063-8136

最新著書のご案内

相続〝円満・不和〟が分かれる
不動産の“遺し方・手放し方”!

「相続前・後の不動産対策」に焦点を当て、終活として不動産所有者が備えるべき4つの視点から解説。
特に、負動産を生前処分する方法、そのまま相続になると必ず紛争になる相続不動産の瑕疵対策、共有名義不動産の回避・解消法、遺言や民事信託の活用など相続に不動産が絡むケースの終活ノウハウが満載です。

『終活を真剣に考える』
シリーズ

“負動産”を生前処分するために
“唯一制度化”された出口戦略!

近年、相続の現場で深刻化している“負動産の押し付け合い”による争族の解決策として注目される「相続土地国庫帰属制度」の超実践ガイド。

相続不動産の売却と親族間・
個人間売買がよく分かる!

相続の「前・後」で行うことが多い相続不動産の売却、親族間・個人間売買のしくみがわかる本。最新事例から完全図解・イラスト版で解説。不動産売買「5つの不(不安・不満・不便・不都合・不経済)」が
根底からスッキリと解消します。

“はじめての遺言執行”を完全にサポート!執行実務の入門書!

遺言執行者にはじめて就任した方が最初に読む、完全図解版の入門書。
遺言執行者に就任したものの、
「何からすればよいか分からない」
「本当に自分ができるのか?」

といったお悩みを解決します。

法改正対応!最新の改訂版!
不動産実務がみるみる身に付く

出版時点の法改正(民法、消費税法、都市緑地等の一部改正法等)の修正対応と、金利上昇局面を見据え初版に無かった住宅ローン基礎知識を解説追記した最新改定版。身の丈に合った物件価格算出法が好評。

発行部数1万部以上売れた初版
不動産取引“入門書”の決定版!

2015年7月出版の初版。不動産業界初心者向けの入門編。他書籍で誰も書かなかった不動産オークションの裏側やカラクリ、”地主向け”・土地活用営業マンへの対峙法が好評。

「弁護士JPニュース」に
弊所代表行政書士:平田の
取材記事が掲載されました。

“普通の家庭”ほど危ない!? 「実家の相続」安易な考えで数百万円損も…「うちは大丈夫」慢心が思わぬ“争いの火種”に
なるワケ

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)
50代から着手しよう!!
「“相続トラブルのタネ・
ワケあり不動産”テキパキ
整理術」連載中!

【第1回】内縁の妻に、親から相続した4,000万円の横浜の自宅を遺したい…「事実婚夫婦」が資産承継する際の重要ポイント

【第2回】同居の長男に自宅を遺したいが、別居の長女と揉めないか不安…希望の相続を実現させる「特定財産承継遺言」の効果と注意点

【第3回】【50代再婚カップルの苦悩】2人で暮らす世田谷の家、後妻の死後〈後妻弟〉へ渡るのを阻止したい…遺言では対処できない〈資産承継の問題〉の解決策

【第4回】馬車馬のように働き人生後半で手にした「夢のマイホーム」に住まう79歳元経営者だが…いま気づいた〈子どもたちの争族リスク〉に顔面蒼白

【第5回】あなたとの不動産の共有がストレスです…姉の申し出に〈土地の持ち分〉を買い取りホクホクの50代男性、積年のマイホーム建築の夢が潰えた「考えれば当然」の事情

【第6回】本当に恐怖です…父から相続した地方の「ワケあり不動産」、やがて起こる〈共有者大増殖〉に、50代男性「いてもたってもいられない」と戦慄

【第7回】こんなお荷物、捨ててしまいたい! 亡き父が残した土地は〈過疎地・共有名義・買い手ナシ〉の三重苦…57歳長男の心の叫び

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-6875-7980

<受付時間>
9:00~19:00
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ  
 対応可。祝日は通常営業。
※受付時間外・日曜日の連絡先
 090-5063-8136

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研

住所

〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

アクセス

神戸新交通ポートアイランド線
  「貿易センター」駅より徒歩   3分
阪神本線「神戸三宮」駅より徒歩   8分
JR神戸線「三ノ宮」駅より徒歩10分
阪急神戸線「神戸三宮」駅・徒歩13分
※周辺にコインパーキング多数あり

受付時間

9:00~19:00
※19時以降は予約の方のみ対応可。

定休日

日曜日
(日曜日以外の祝日は通常営業)
※定休日は予約の方のみ対応可。