運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

受付時間
定休日
9:00~19:00
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・定休日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・定休日連絡先(090-5063-8136)
     ✉アドレス info@realestate-lawoffice.jp

お気軽にお問合せ・ご相談ください

050-6875-7980

相続人が遺言と異なる処分をした場合

処分行為に関する基本的な効果

令和元年(2019年)7月1日に改正民法が施行されました。
これにより、同日以降に開始した相続については、遺言執行者がある場合、相続人は遺言の目的となっている財産について、処分その他の「遺言の執行を妨げる行為」をすることができません(民法第1013条第1項)。

そして、この規定に違反して相続人が財産を処分した場合、
その処分行為は原則として無効となります(民法第1013条第2項本文)。
ただし、その無効は善意の第三者に対抗することができません(同項ただし書)。

遺言執行者の存否・就任時期と処分行為の効力

遺言の目的となっている財産について、相続人が遺言執行者に無断で売却や贈与などの処分を
行った場合、その効力は処分時における遺言執行者の存否や地位によって異なります。

実務上、特に問題となる場面は次のとおりです。

(1)遺言執行者の就任前になされた処分行為

遺言執行者としての権利義務は、指定された者が就任を承諾した時から発生します。
もっとも、民法第1013条が定める相続人の処分禁止の効力は、
就任承諾の時点ではなく、「遺言執行者があるとき」すなわち遺言が効力を生じた時(被相続人の死亡時)から生じると解されています。

そのため、
遺言で遺言執行者が指定されている場合には、その者がまだ就任を承諾していない段階や、
就任の通知が相続人に到達する前に相続人が財産を処分したとしても、
その処分行為は原則として無効となります。

(2)遺言執行者が就任を拒絶した場合

遺言で指定された者が就任を拒絶した場合、
その時点で「遺言執行者があるとき」という前提状況は失われます。

したがって、遺言執行者が不在となった後は、相続人の処分行為を制限する法的根拠も失われるため、拒絶後に相続人が行った財産の処分行為は、遺留分侵害その他の特段の事情がない限り、原則として有効と解されます。

(3)遺言執行者の就任拒絶後に家庭裁判所へ選任申立てを行う場合

指定された者が就任を拒絶したため、
利害関係人が家庭裁判所に対して、新たな遺言執行者の選任を申し立てることがあります。

この場合、就任拒絶から新たな遺言執行者の選任までの間は、法律上、遺言執行者が存在しない空白期間となります。そこで、この空白期間中に相続人が行った処分行為について、
民法第1013条による処分制限を受けるかが問題となります。

この点については、
空白期間中の処分行為は処分制限の対象とならず確定的に有効であるとする見解がある一方、
遺言者の最終意思を尊重する観点から、
拒絶後も引き続き選任申立てが行われた場合には、遺言執行者の地位は連続しているものと評価し、処分制限を認めるべきであるとする見解もあります。

このように解釈上の争いがあるため、
実務上は、遺言執行者の就任拒絶が判明した場合には、できる限り速やかに家庭裁判所への選任申立てその他の保全措置を講じ、空白期間を生じさせないことが重要です。

(4)遺言執行者の指定がなく、家庭裁判所への選任申立ても行われない場合

この場合、遺言執行者は終始存在しないため、相続人による処分行為自体は有効です。
もっとも、遺言内容と矛盾する処分を行った結果、本来その財産を取得するはずであった受遺者や受益相続人に損害が生じた場合には、処分を行った相続人が、不法行為責任や不当利得返還義務等の法的責任を負う可能性があります。

第三者保護と民法改正

相続人が無断で処分した財産を取得した第三者と、遺言によって権利を取得する受遺者又は受益相続人との優劣は、相続開始時期によって異なります。

(1)令和元年(2019年)6月30日以前に開始した相続

旧法(改正前民法)下では、遺言執行者がある場合に相続人が行った処分行為は、絶対的に無効と解されていました。そのため、第三者が遺言執行者の存在を知らなかったとしても、その処分行為の無効を主張することができ、受遺者等は登記の有無にかかわらず、第三者に対して権利を主張することができました。
ただし、不動産等の時効取得、動産の即時取得により、第三者が保護される場合もあります。

(2)令和元年(2019年)7月1日以降に開始した相続

現行法(改正民法)では、遺言執行者がある場合の相続人による処分行為は無効であることが
民法第1013条第2項本文により明文化されました。
もっとも、同項ただし書は、「善意の第三者には対抗することができない」と規定しています。

そのため、第三者が遺言執行者の存在や当該財産について遺言執行者に管理処分権があることを知らずに取得した場合には、受遺者や受益相続人は、その第三者に対して処分行為の無効を主張することができず、第三者が保護されることになります。

なお、
ここでいう第三者は、善意であれば足り、無過失までは要求されていないとされています。

 

※クリックすると画像が拡大されます

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
050-6875-7980
受付時間
9:00~19:00
定休日
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・日曜日連絡先:090-5063-8136

最新著書のご案内

相続〝円満・不和〟が分かれる
不動産の“遺し方・手放し方”!

「相続前・後の不動産対策」に焦点を当て、終活として不動産所有者が備えるべき4つの視点から解説。
特に、負動産を生前処分する方法、そのまま相続になると必ず紛争になる相続不動産の瑕疵対策、共有名義不動産の回避・解消法、遺言や民事信託の活用など相続に不動産が絡むケースの終活ノウハウが満載です。

『終活を真剣に考える』
シリーズ

“負動産”を生前処分するために
“唯一制度化”された出口戦略!

近年、相続の現場で深刻化している“負動産の押し付け合い”による争族の解決策として注目される「相続土地国庫帰属制度」の超実践ガイド。

相続不動産の売却と親族間・
個人間売買がよく分かる!

相続の「前・後」で行うことが多い相続不動産の売却、親族間・個人間売買のしくみがわかる本。最新事例から完全図解・イラスト版で解説。不動産売買「5つの不(不安・不満・不便・不都合・不経済)」が
根底からスッキリと解消します。

“はじめての遺言執行”を完全にサポート!執行実務の入門書!

遺言執行者にはじめて就任した方が最初に読む、完全図解版の入門書。
遺言執行者に就任したものの、
「何からすればよいか分からない」
「本当に自分ができるのか?」

といったお悩みを解決します。

法改正対応!最新の改訂版!
不動産実務がみるみる身に付く

出版時点の法改正(民法、消費税法、都市緑地等の一部改正法等)の修正対応と、金利上昇局面を見据え初版に無かった住宅ローン基礎知識を解説追記した最新改定版。身の丈に合った物件価格算出法が好評。

発行部数1万部以上売れた初版
不動産取引“入門書”の決定版!

2015年7月出版の初版。不動産業界初心者向けの入門編。他書籍で誰も書かなかった不動産オークションの裏側やカラクリ、”地主向け”・土地活用営業マンへの対峙法が好評。

「弁護士JPニュース」に
弊所代表行政書士:平田の
取材記事が掲載されました。

“普通の家庭”ほど危ない!? 「実家の相続」安易な考えで数百万円損も…「うちは大丈夫」慢心が思わぬ“争いの火種”に
なるワケ

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)
50代から着手しよう!!
「“相続トラブルのタネ・
ワケあり不動産”テキパキ
整理術」連載中!

【第1回】内縁の妻に、親から相続した4,000万円の横浜の自宅を遺したい…「事実婚夫婦」が資産承継する際の重要ポイント

【第2回】同居の長男に自宅を遺したいが、別居の長女と揉めないか不安…希望の相続を実現させる「特定財産承継遺言」の効果と注意点

【第3回】【50代再婚カップルの苦悩】2人で暮らす世田谷の家、後妻の死後〈後妻弟〉へ渡るのを阻止したい…遺言では対処できない〈資産承継の問題〉の解決策

【第4回】馬車馬のように働き人生後半で手にした「夢のマイホーム」に住まう79歳元経営者だが…いま気づいた〈子どもたちの争族リスク〉に顔面蒼白

【第5回】あなたとの不動産の共有がストレスです…姉の申し出に〈土地の持ち分〉を買い取りホクホクの50代男性、積年のマイホーム建築の夢が潰えた「考えれば当然」の事情

【第6回】本当に恐怖です…父から相続した地方の「ワケあり不動産」、やがて起こる〈共有者大増殖〉に、50代男性「いてもたってもいられない」と戦慄

【第7回】こんなお荷物、捨ててしまいたい! 亡き父が残した土地は〈過疎地・共有名義・買い手ナシ〉の三重苦…57歳長男の心の叫び

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-6875-7980

<受付時間>
9:00~19:00
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ  
 対応可。祝日は通常営業。
※受付時間外・日曜日の連絡先
 090-5063-8136

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研

住所

〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

アクセス

神戸新交通ポートアイランド線
  「貿易センター」駅より徒歩   3分
阪神本線「神戸三宮」駅より徒歩   8分
JR神戸線「三ノ宮」駅より徒歩10分
阪急神戸線「神戸三宮」駅・徒歩13分
※周辺にコインパーキング多数あり

受付時間

9:00~19:00
※19時以降は予約の方のみ対応可。

定休日

日曜日
(日曜日以外の祝日は通常営業)
※定休日は予約の方のみ対応可。