運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

受付時間
定休日
9:00~19:00
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・定休日は予約の方のみ対応可。
※受付時間外・定休日連絡先(090-5063-8136)
     ✉アドレス info@realestate-lawoffice.jp

お気軽にお問合せ・ご相談ください

050-6875-7980

遺言による生命保険金受取人変更の執行

遺言による保険金受取人の変更とは

生命保険契約において指定された保険金受取人は、遺言によって変更することができます。

これは、平成22年(2010年)4月1日に施行された保険法により明文化された制度であり、保険契約者は生前の意思表示だけでなく、遺言によっても保険金受取人を変更することが可能となりました。

もっとも、すべての保険契約について認められるわけではなく、保険法施行後の契約であるかどうかを確認する必要があります。

遺言による受取人変更が認められる範囲

(1)平成22年4月1日以降に締結された保険契約

保険法は、次のとおり規定しています。
・生命保険契約:保険法第44条第1項
・傷害疾病定額保険契約:保険法第73条第1項

これにより、保険金受取人の変更は遺言によって行うことが可能となりました。

(2)平成22年4月1日より前に締結された保険契約

保険法施行前の契約については、旧商法及び保険約款が適用されます。
そのため、約款上「遺言による変更」が認められていない場合には、
遺言による受取人変更が無効となることがあります。

遺言執行者は、まず保険契約の締結日及び約款内容を確認する必要があります。

遺言執行者が確認すべき事項

保険金受取人の変更を内容とする遺言がある場合、遺言執行者は次の事項を確認します。

(1)受取人変更の意思表示の有無

遺言に、
「○○生命保険契約の受取人をAからBに変更する」などの明確な記載があるかを確認します。

実務上は、
「生命保険金をBに相続させる」
「生命保険金をBに遺贈する」
といった記載がされていることもあります。

しかし、これらの文言が直ちに受取人変更の意思表示と認められるとは限らず、
保険会社ごとに取扱いが異なる場合があります。

そのため、遺言の文言を慎重に検討する必要があります。

(2)保険契約の存在及び内容

次の事項を確認します。
・保険会社名
・契約番号
・契約者
・被保険者
・現在の受取人
・契約締結日
・契約が現在も有効に存続しているか

遺言に記載された保険契約が既に解約されている場合には、その部分の遺言執行は不能となります。

(3)遺言作成後の受取人変更の有無

遺言作成後に、遺言者自身が保険会社に対して、別の受取人変更手続を行っている場合があります。
このような後行行為が遺言内容と抵触する場合には、
その限度で先の遺言は撤回されたものと評価される可能性があります。

受取人が遺言者より先に死亡している場合

遺言によって指定された新受取人が、遺言者より先に死亡していた場合には注意が必要です。

受取人変更の効力は、遺言者の死亡によって初めて発生します。
そのため、
指定された受取人がその時点ですでに死亡している場合には、原則として変更の効力は生じません

もっとも、「Aが先に死亡している場合はBを受取人とする」といった予備的な意思表示が認められる場合には、その意思が優先されます。

したがって、遺言執行者は新受取人の生存状況を確認するとともに、
予備的受取人の指定があるかも確認する必要があります。

被保険者の同意が問題となる場合

生命保険契約では、保険契約者と被保険者が異なる場合があります。
一般に、
被保険者以外の者が保険契約者となる契約については、被保険者の同意が必要となる場面があります。

もっとも、遺言による受取人変更が問題となる典型例である、
・保険契約者=父
・被保険者=父
・受取人=子
という契約では、
被保険者と契約者が同一人物であるため、被保険者の同意が問題となることは通常ありません。

保険会社への通知手続

遺言による受取人変更は、遺言者の死亡によって効力を生じます。
しかし、それだけでは保険会社に対して変更を主張することはできません。

保険法第44条第2項は、次のとおり、相続人による通知を要求しています。

【保険法第44条第2項】
遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人が
 その旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

実務上は、遺言執行者がこの通知を行うことも認められています。
通知に際しては、通常、次の書類が求められます。
・遺言書
・遺言者の死亡を証する戸籍
・相続関係を示す戸籍
・遺言執行者の資格を証する書類
・保険会社所定の届出書類

通知が遅れた場合のリスク

遺言執行者が最も注意しなければならないのが、保険会社への通知の遅延です。

保険法第44条第2項による通知が保険会社に到達する前に、
保険会社が変更前の受取人へ保険金を支払った場合、保険会社が善意無過失であれば、その支払は有効となります。
その結果、新受取人は保険会社に対して保険金を請求できなくなる可能性があります。

このような事態になると、新受取人は変更前の受取人に対して
返還請求等を検討することになりますが、紛争が複雑化するおそれがあります。

そのため、遺言執行者は就任後速やかに保険会社へ通知を行うことが重要です。

実務上の留意点

生命保険の保険金受取人変更は、遺言によって実現できる数少ない身分的・契約的効果を伴う遺言事項の一つです。もっとも、保険契約の締結時期、約款内容、受取人の生存状況、保険会社への通知時期などによって結論が大きく左右されます。

遺言執行者としては、遺言内容だけでなく保険契約そのものを精査し、保険会社への通知を最優先事項として迅速に行うことが、遺言者の意思を確実に実現するために極めて重要となります。 

※クリックすると画像が拡大されます

お気軽にお問合せ・ご相談ください
(行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
050-6875-7980
受付時間
9:00~19:00
定休日
日曜日(日曜日以外の祝日は通常営業)
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ対応可。
受付時間外・日曜日連絡先:090-5063-8136

最新著書のご案内

相続〝円満・不和〟が分かれる
不動産の“遺し方・手放し方”!

「相続前・後の不動産対策」に焦点を当て、終活として不動産所有者が備えるべき4つの視点から解説。
特に、負動産を生前処分する方法、そのまま相続になると必ず紛争になる相続不動産の瑕疵対策共有名義不動産の回避・解消法、遺言民事信託の活用など相続に不動産が絡むケースの終活ノウハウが満載です。

『終活を真剣に考える』
シリーズ

“負動産”生前処分するために
“唯一制度化”された出口戦略!

近年、相続の現場で深刻化している“負動産の押し付け合い”による争族の解決策として注目される「相続土地国庫帰属制度」の超実践ガイド。

相続不動産の売却と親族間・
個人間売買がよく分かる!

相続の「前・後」で行うことが多い相続不動産の売却、親族間・個人間売買のしくみがわかる本。最新事例から完全図解・イラスト版で解説。不動産売買「5つの不(不安・不満・不便・不都合・不経済)」が
根底からスッキリと解消します。

“はじめての遺言執行”を完全にサポート!執行実務の入門書

遺言執行者にはじめて就任した方が最初に読む、完全図解版の入門書
遺言執行者に就任したものの、
「何からすればよいか分からない」
「本当に自分ができるのか?」

といったお悩みを解決します。

法改正対応!最新の改訂版!
不動産実務がみるみる身に付く

出版時点の法改正(民法、消費税法、都市緑地等の一部改正法等)の修正対応と、金利上昇局面を見据え初版に無かった住宅ローン基礎知識を解説追記した最新改定版。身の丈に合った物件価格算出法が好評。

発行部数1万部以上売れた初版
不動産取引“入門書”の決定版!

2015年7月出版の初版。不動産業界初心者向けの入門編。他書籍で誰も書かなかった不動産オークション裏側カラクリ”地主向け”・土地活用営業マンへの対峙法が好評。

必ず繁盛店シリーズの集客編!集客企画に困ったらこの1冊!

累計発行部数:12,000部以上売れた集客ノウハウ大全(共著)。SNS全盛の今でも、何度も使える集客企画ネタ帳の保存版。

「弁護士JPニュース」
弊所代表行政書士:平田の
取材記事が掲載されました。

“普通の家庭”ほど危ない!? 「実家の相続」安易な考えで数百万円損も…「うちは大丈夫」慢心が思わぬ“争いの火種”に
なるワケ

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)
50代から着手しよう!!
「“相続トラブルのタネ・
ワケあり不動産”テキパキ
整理術」連載中!

【第1回】内縁の妻に、親から相続した4,000万円の横浜の自宅を遺したい…「事実婚夫婦」が資産承継する際の重要ポイント

【第2回】同居の長男に自宅を遺したいが、別居の長女と揉めないか不安…希望の相続を実現させる「特定財産承継遺言」の効果と注意点

【第3回】【50代再婚カップルの苦悩】2人で暮らす世田谷の家、後妻の死後〈後妻弟〉へ渡るのを阻止したい…遺言では対処できない〈資産承継の問題〉の解決策

【第4回】馬車馬のように働き人生後半で手にした「夢のマイホーム」に住まう79歳元経営者だが…いま気づいた〈子どもたちの争族リスク〉に顔面蒼白

【第5回】あなたとの不動産の共有がストレスです…姉の申し出に〈土地の持ち分〉を買い取りホクホクの50代男性、積年のマイホーム建築の夢が潰えた「考えれば当然」の事情

【第6回】本当に恐怖です…父から相続した地方の「ワケあり不動産」、やがて起こる〈共有者大増殖〉に、50代男性「いてもたってもいられない」と戦慄

【第7回】こんなお荷物、捨ててしまいたい! 亡き父が残した土地は〈過疎地・共有名義・買い手ナシ〉の三重苦…57歳長男の心の叫び

「THE GOLD ONLINE」
(幻冬舎ゴールドオンライン)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-6875-7980

<受付時間>
9:00~19:00
※受付時間外・日曜日は予約の方のみ  
 対応可。祝日は通常営業。
※受付時間外・日曜日の連絡先
 090-5063-8136

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研

住所

〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通1丁目1-20 KOWAビル4階

アクセス

神戸新交通ポートアイランド線
  「貿易センター」駅より徒歩   3分
阪神本線「神戸三宮」駅より徒歩   8分
JR神戸線「三ノ宮」駅より徒歩10分
阪急神戸線「神戸三宮」駅・徒歩13分
※周辺にコインパーキング多数あり

受付時間

9:00~19:00
※19時以降は予約の方のみ対応可。

定休日

日曜日
(日曜日以外の祝日は通常営業)
※定休日は予約の方のみ対応可。