運営:行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研
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2024年の相続登記義務化に続き、2026年4月からは
「所有者の住所・氏名変更登記」も義務化され、これにより、売却の前提条件が極めて厳格化されます。
不動産を売却するには、登記簿上の住所と現在の住民票の住所が一致していなければなりません。
しかし、被相続人が数十年前に取得した不動産の場合、
その後の転居履歴をすべて確認して、
「住所のつながり」を証明する必要があります。
具体的には、
住所のつながりを証明する資料として、 住民票の除票や戸籍の附票を取得することになりますが、
これらの書類は、保存期間が経過していると廃棄され、役所でも取得できない場合があります。
保存期間は、住民基本台帳法の一部改正(令和元年6月20日施行)により、
令和元年(2019年)6月20日以降に消除された「住民票の除票」や「戸籍の附票の除票」については、改正前の5年間から「120年」に延長されました。
ただし、
令和元年(2019年)6月20日以前に消除された「住民票の除票」や「戸籍の附票の除票」は対象外となり、すでに廃棄されている可能性があるため、該当する自治体に個別で問い合わせる必要があります。
もし廃棄されていれば、これらの書類が存在しないことを証明する「不在住・不在籍証明書」の取得や、上申書の提出など特殊な手続きが必要となり、大変な不便が発生することになります。
相続不動産が遠方にある場合の不便は、単なる移動コストに
留まらず、法的なペナルティに直結する時代になりました。
その背景には、2023年12月13日に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」により、
「管理不全空き家」という新たな区分が設けられたことにあります。
適切な管理を怠り、管理不全空き家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の減額)が解除されます。
たとえば、遠方の実家を放置し、庭木の越境や窓ガラスの破損を数ヶ月放置しただけで、
行政調査の対象となります。
売却準備のために現地へ行く移動コスト(交通費・宿泊費)に加え、急ぎの残置物撤去や清掃を業者に依頼すると臨時出費も重なり、経済的な圧迫が「早期売却への焦り」を招きます。
親族間の調整において、近年最も大きな「不便」となっているのが、高齢化に伴う意思能力の問題です。
相続不動産の売却では共有者の一人が、親族間売買では売主である親が「認知症」などで意思能力を喪失している場合、
原則として売買契約を結ぶことができません。
成年後見人の選任には、家庭裁判所への申し立てから数ヶ月の期間が必要となり、その間、不動産売買を行いたくてもできない不便さがあります。
親族間・個人間売買において、最も思い通りに進まない原因が「資金調達スキーム」の不在です。
多くの銀行では、親族間売買への融資を原則として取り扱っていません。
マネーロンダリング対策や不正融資防止の観点から、
親族間売買への融資審査が極めて厳格になっているためです。
また、「身内同士の契約書」では信頼性に欠けると判断され、融資が否決されるケースが大半です。
さらに、銀行融資の前提となる「宅建業者が作成した重要事項説明書」がないことが、
取引のデッドロック(行き詰まり)を生みます。これらの行き詰まりは、先述の「不満」であることと同様に、きわめて「不便」な要因でもあるといえます。
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